骨粗鬆症薬イベニティとアムジェン
こんにちは。コロスケです。
今日は話題のアムジェン、そして話題の骨粗鬆症治療薬イベニティについて簡単に触れていきたいと思います。
骨粗鬆症治療薬イベニティ
2019年、病院で採用された薬剤の中でトップクラスの採用率である薬剤が「イベニティ」です。
イベニティとはどんな特徴があるのでしょうか?
イベニティは「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」を効能・効果とする新有効成分含有医薬品です。
これまでの骨粗鬆症治療薬と比較しても「薬理作用が新しい」点が特徴です。
どんな点が新しい薬理作用なのでしょうか?
その前に、骨粗鬆症の治療薬は大きく2つに分かれます。
それは骨吸収(骨が壊れていく)を抑制する作用と骨形成(骨が作られること)を促進する作用です。
① 骨吸収(骨が壊れやすくなる)の抑制
骨粗鬆症の薬剤は大きく2つに分かれます。
その1つが、骨吸収(骨が壊れていく)を抑制する作用です。
どんな種類の薬剤があるのでしょうか?
◉ビスホスホネート製剤(BP)
- ボノテオ(アステラス製薬)
- リカルボン(小野薬品)
- ボナロン(帝人ファーマ)
- アクトネル・ベネット(エーザイ・武田薬品)・ボンビバ(中外製薬・大正製薬)
◉抗RANKL抗体
- プラリア(第一三共)
◉選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)
- エビスタ(イーライリリー)
- ビビアント(ファイザー)
こちらは骨吸収(骨が壊れていく)を抑制する作用する薬剤の一覧です。
② 骨形成を促進する薬剤(骨を作る)
先ほどまでは骨吸収(骨が壊れていく)を抑制する作用の薬剤でした。
次は、骨形成を促進する薬剤、骨を作る薬剤をご紹介します。
- フォルテオ(イーライリリー)
- テリボン(旭化成ファーマ)
後発品参入が予想されております。
③ 骨に不足している栄養素を補う薬剤
骨吸収を抑制する薬剤、骨形成を促進する薬剤、さらにもう1つ加え「栄養素を補う薬剤」です。
カルシウム製剤、活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤といったタイプの薬剤になります。
下記が代表的な薬剤です。
- エディロール(中外製薬・大正製薬)
エディロールはよく使われているイメージです。
④ 1剤で骨吸収抑制と骨形成促進の2つの作用
抗スクレロスチン抗体です。骨折の危険性が高い患者さんが対象の薬剤です。
1回210mg(シリンジ2本)を月1回、12カ月間皮下注射により投与します。
イベニティが標的とする「スクレロスチン」は骨細胞から分泌され、骨芽細胞による骨形成を抑制し、破骨細胞による骨吸収を促進する糖タンパク質です。
イベニティは、スクレロスチンに結合してその働きを阻害することで、骨形成を促進し、骨吸収を抑制します。
骨形成促進と骨吸収抑制という2つの作用を持つ骨粗鬆症治療薬は初めてで、この「デュアル・エフェクト」が同薬の最大の特徴になります。
本日は骨粗鬆症の薬剤にスポットを当てて紹介しました。
では、次回はまた面白い薬剤をピックアップします!