ルンドベックが日本で営業開始
こんにちは!コロスケです。
今日は「ルンドベックが日本で営業開始!」というタイトルです。
なぜこのようなお話をさせて頂くのか?
僕は、「このようなニュースに敏感になること=MRにとって新たな転職、ステップアップ」という可能性もあるんじゃないか、ということです。
MRが置かれている現状としては
- 超高齢化社会は継続:医療費の継続的な増大
- 医療費を抑制するために、全体の薬剤費を抑制
- 全体の薬剤費を抑制していくために、後発品使用促進業、毎年の薬価改定
- 医薬品メーカーの利益に影響→社員数の適正化→MR数が減少
- 早期退職をした製薬会社社員が転職市場に流入
まさに現在はこのような流れの真っ只中です。
その中で、ルンドベックが営業を開始をしました。
大手メーカーが早期退職を実施して社員を減少させている中で、事業を開始したというわけです。
大手メーカーは社員数が減少しております。つまりは管理職ポストも減少しているわけです。
その中で事業を開始したメーカーで働くということは、新たなポジションをつかむチャンスにもなるわけです。
今回はルンドベックジャパンという会社が日本で新たな機会を創出しました。
少し調べてみましたのでポイントだけご紹介いたします。
ルンドベックジャパン、武田薬品との共同販促
今回、ルンドベックは大うつ病性障害治療薬「トリンテリックス」の製造販売承認取得にあわせて営業体制を構築しました。
トリンテリックスは、日本に関しては武田薬品工業と共同開発や共同商業化の契約を結び、9月に承認を取得しました。
武田と共同販促を行うため、新たにMRを採用しゼロから営業部隊を立ち上げたようです。
ルンドベックについて
あまり聞きなれない会社なのですが、ルンドベックとはどのような会社なのでしょうか?
ルンドベックは精神・神経疾患に特化したグローバル製薬企業で、デンマークのコペンハーゲンに拠点を持つ会社です。
ルンドベックは、現在50ヵ国以上、約5,000人以上の社員を擁し、研究、開発、製造、マーケティング、販売に従事しています
日本法人「ルンドベック・ジャパン株式会社」(Lundbeck Japan K.K.)は2001年に設立されました。
2002年にエスシタロプラム(レクサプロ)の開発・販売について持田製薬と提携を締結。
2007年に武田薬品工業と米国・日本における気分障害・不安障害治療薬の共同事業化契約を締結しました。
また2011年に大塚製薬と中枢神経疾患を対象とする長期的なアライアンス契約を締結しました。
2018年の収益は181憶デンマーククローネ(約3,019憶円)。
大うつ病性障害治療薬「トリンテリックス」
では今回の大うつ病性障害治療薬の「トリンテリックス」はどのような薬剤なのでしょうか?
●トリンテリックスの概要
製品名 | トリンテリックス錠10㎎、トリンテリックス錠20㎎ |
一般名 | ボルチオキセチン臭化水素酸塩 |
効能・効果 | うつ病・うつ状態 |
用法・用量 | 通常、成人にはボルチオキセチンとして10mg を 1 日 1 回経口投与する。なお、患者の状態により 1 日 20mg を超えない範囲で適宜増減するが、増量は 1 週間以上の間隔をあけて行うこと。 |
●トリンテリックスの作用機序
トリンテリックスは複数の薬理作用を併せ持つ初めてかつ唯一の化合物です。
作用点は、
- セロトニン再取り込み阻害作用
- セロトニン受容体調節作用(セロトニン3 受容体、セロトニン7 受容体及びセロトニン1D 受容体のアンタゴニスト作用、セロトニン1B 受容体部分アゴニスト作用、セロトニン1A 受容体アゴニスト作用)
セロトニンだけでなく、ノルエピネフリン、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミンの遊離を調節するとされています。
うつ病の発症要因は、セロトニン不足、ノルアドレナリン不足など様々な要因があるようです。
この作用により、脳内のセロトニンなどの量を増やしていく薬剤なのかもしれません。
大うつ病性障害の治療薬
2000年以降にうつ病治療のパラダイムシフトが起きました。
それは、これまでの古いタイプの薬剤が治療の中心でありましたが、新しいタイプのうつ病治療薬が日本国内でも発売になりました。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
代表的な治療薬としてSSRIがあります。
SSRIとは選択的セロトニン再取り込み阻害薬のことです。
- ルボックス(一般名:フロボキサミン)
- デプロメール(一般名:フルボキサミン)
- パキシル(一般名:パロキセチン)
- ジェイゾロフト(一般名:セルトラリン)
- レクサプロ(一般名:エスシタロプラム)
SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)
セロトニンのみならず、ノルアドレナリンにも作用をしめす抗うつ薬があります。
それは、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)です。
以下の抗うつ薬があります。
- トレドミン(一般名:トレドミン)
- サインバルタ(一般名:デュロキセチン)
- イフェクサー(一般名:ベンラファキシン)
NASSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬 )
SSRIやSNRIとは異なる作用機序です。
抗うつ薬は1種類です。
- リフレックス・レメロン(ミルタザピン)
今後のルンドベックの展開
トリンテリックスの発売を控えているルンドベック社。
今後は日本でどのように展開していくのでしょうか?
ルンドベック・ジャパンのクリストファー・ダール社長は5日、日刊薬業の取材に対して以下のように述べられております。
営業部隊は「現時点ではトリンテリックスのためだが、長期的な計画としては日本法人も総合的な製薬企業に成長することを目標としている」と発言。
その営業体制も含めた今後の事業については、「脳疾患の医薬品は開発も困難で、アンメットニーズも多いため、長期的な観点で行うのがルンドベックの大原則。
日本でも長期的な観点で投資を行い、製品を投入していきたい」と述べた。
今後の日本での開発候補品については「パイプラインにある全ての製品」とした上で、一例として今年買収した米Alder BioPharmaceuticalsが米国で申請中の片頭痛治療薬を挙げ、「日本にも届けられたら」と語った。
現在はトリンテリックスのための営業部隊らしいです。
ルンドベックはトリンテリックスの営業部隊の採用は今年に入ってから水面下で行っていたようです。
精神科で営業をしていたイーライリリーやヤンセンファーマ、GSKのMRが入社をしているという噂です。
比較的年齢の高い、元々マネージャーを経験されていた社員、KEEを担当していたMRなど、比較的MRレベルの高い社員を募集していたという噂です。
今後どれくらいMRを増員させていくのかは不明ですが、今後もルンドベックのように新規営業部隊の立ち上げの情報には注目しておくのが良いと思います。