花粉症の経口薬は市販薬で十分

花粉症治療薬は市販薬で十分?

こんにちは!

今回は花粉症の治療薬は市販薬で十分?というテーマです。

なぜ、このテーマでお話しをするのか?という背景ですね。

 

下記のニュースをちょっと目にしました。

国民皆保険を維持していくためには、花粉症治療薬を保険適用外にすれば新薬が出ても財源が確保できる、ということです。

つまりは、国民皆保険の制度を維持していくためには、花粉症治療薬は保険適用外にせい!という話です。

 

企業の健康保険組合でつくる健康保険組合連合会(健保連)の幸野庄司理事は二十三日、厚生労働省で記者会見し、二〇二〇年度の診療報酬改定に向けた政策提言を公表した。

医療機関で処方される花粉症治療薬を公的医療保険の対象から外して自己負担にすることや、初診料の機能強化加算の算定要件の見直しなどが柱。

花粉症治療薬を市販品で代用すると、最大で年間約六百億円の薬剤費削減効果を見込めるという。

健保連は厚労相の諮問機関、中央社会保険医療協議会(中医協)で提起する方針。

花粉症治療薬を巡っては近年、医療機関で処方される薬と同等の成分の市販品として、久光製薬の「アレグラ」やエスエス製薬の「アレジオン」などが発売されている。

健保連は百二十一の健保組合の協力を得て、二〇一六年十月~一八年九月に加入者が受診したレセプト(診療報酬明細書)を分析。

市販品で代用できる花粉症治療薬を公的医療保険の適用外にすると、年間約五百九十七億円の削減効果があると試算。軽症者向けに一種類だけ処方される場合に限って適用外にしても、三十六億円の削減になる。(引用:日刊薬業より)

 

健康保険組合を維持していくことを目的として、健保連の理事からの提言です。

このニュースを見て、製薬会社のMR目線で考えてみます。

 

花粉症治療薬市場とは

 

花粉症治療薬市場とは以前より競争が激しい市場です。

花粉症の新薬も継続的に発売されております。

代表的な治療薬とはどのようなものがあるのでしょうか?

 

大きく分けて「抗ヒスタミン薬」「抗ロイコトリエン拮抗薬」「点鼻ステロイド薬」があります。

特に昨今市販薬として発売されテレビコマーシャルでも取り上げられてるのは「アレグラ」「アレジオン」などの抗ヒスタミン薬です。

 

ここで代表的な花粉症治療薬をピックアップしてみます。

どれくらいご存知でしょうか?

 

一般名製品名メーカー服薬回数
フェキソフェナジン(市販薬あり)アレグラサノフィ1日2回
レボセチリジンザイザルグラクソ・スミスクライン1日1回
エピナスチン(市販薬あり)アレジオンベーリンガーインゲルハイム1日1回
オロパタジンアレロック協和発酵キリン1日2回
ビラスチンビラノア大鵬薬品、meiji ファーマ1日1回
ベポタスチンタリオン田辺三菱製薬1日2回
ルパタジンルパフィン田辺三菱製薬1日1回
ロラタジン(市販薬あり)クラリチンシオノギ製薬1日1回
デスロラタジンデザレックスMSD、キョーリン1日1回

 

これらが、代表的な花粉症治療薬!だと思います。

多分、だいたいは網羅していると思います!

 

花粉症治療薬は保険適用外になったら?

 

これらの花粉症治療薬が保険適用外になったらどうなるのでしょうか?

回答は医療費の削減に繋がるということです。

医療費の削減とは2つの側面があると思います。

 

  1. 「花粉症治療薬を自費で購入することによる医療費の削減」
  2. 「市販薬で十分な対応可能な花粉症患者の診療費の削減」

この2点は単純に想像できるメリットではないでしょうか?

 

 

花粉症治療薬が保険外になると、、、

 

花粉症治療薬が保険外になれば医療費が削減されますね。

なぜ、医療費費が削減されるのか?なのですが、

 

花粉症治療の現状を患者目線でお伝えしますと、

  1. 花粉症の季節が来た、、、病院に受診している時間がない、、、市販薬でアレグラ、アレジオンを購入。
  2. ドラッグストアで薬は買ったけど、、、2週間分の薬代がこんなに高いの??、、2ヶ月くらい飲み続けるし、、やっぱり病院で薬を貰った方が安いな、、病院へ行こう
  3. 耳鼻科に来たけど、、、花粉症の患者だらけで混みすぎ、、、、1ヶ月分をもらおう

 

多分こんなサイクルの人が多いと思います。

結局、「病院で薬をもらう方が安いんじゃない?」って考えが前提で病院に受診します。

 

だから保険外にすることで、

  • 市販薬で十分な患者さんは市販薬を購入することで削減
  • 病院に受診しても保険外で自費になることで削減

だから医療費が削減されます。これは素晴らしい提案です。

 

ここで医薬品メーカーの営業の側面から見てみます。

お話をする側面は「自社製品と他社製品の違い」です。違いは効果と眠気のバランスでしょう。

結論から言えば、「画期的な違いはない」です。自分の生活にフィットするか、自分の体に合うかどうかでしょう。

 

また売り上げはプロモーション費用に左右されると思います。

このような大した違いがない市場に多額のお金を使っているのは製薬会社の社会的使命とかかけ離れてますよ、きれいごとですが。

花粉症の治療薬の担当経験なんて、MRのキャリアにならないです。

このような会社で働いていたら早めにオンコロジーや専門性の高い製品にキャリアチェンジすべきです。

 

保険外になれば耳鼻科は儲からなくなる?

 

花粉症治療薬が保険外になれば、耳鼻科はどうなるのでしょうか?

もちろん患者さんは減るでしょう。

しかしながら、花粉症の時期はコンビニ診療ですもん。異常な数の患者さんが受診されます。

 

重症の花粉症患者に時間をかけて診療していくことが、お医者さんのあるべき姿だと思いますよ。

それでも花粉症の薬が欲しい人は保険外で処方すれば良いんです。

 

今回のこの提案は、

健康保険組合を維持していく意味でも、MRのキャリアにとっても、意味のある提案なのではないかと思います。

花粉症治療薬の市場は、地域フォーミュラリーでも導入しやすい薬効分類ですよ、正直言って。

むしろそれ以前の問題で、保険外にしちゃえよ!という話です。

保険外でも十分だろ、って領域の製品を多額のお金を使ってプロモーションをしていても、社会貢献になっていないですよ、マジな話。

そんなキャリアは見直すべきだと思います。

 

今回はそんなお話です。

 

 

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