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MRなら知っておきたい「JAK阻害薬」
(更新日:2020年9月25日)

✔︎本日の内容
- JAK阻害薬とは?
- JAK阻害薬の適応
- JAK阻害薬の今後のパイプライン
今回は、最近耳にするJAK阻害薬について簡単にご紹介いたします。
JAK(ヤヌスキナーゼ)とは
JAK阻害薬は「炎症性疾患」の新しいタイプの治療薬です。
その多くは、関節リウマチの治療薬です。
JAKとは、ヤヌスキナーゼ(Janus kinase)の呼称です。
キナーゼとは、細胞の外から様々な刺激を細胞内に伝えるために働く酵素群です。このキナーゼの一種がJAKです。
JAKには、JAK1・JAK2・JAK3・TYK4の4種類があります。
つまりJAK阻害薬は、JAKという酵素を阻害する薬剤です。
では何故JAK阻害薬が関節リウマチに効果があるのでしょうか?
関節リウマチと生物学的製剤
関節リウマチの発症原因は未だ明確ではありません。
その中でも一般的には、
- 遺伝的素因
- 環境要因(ストレス、食生活、肥満等)
これらの要因により、免疫機能が異常になることで発症すると考えられています。
免疫系が異常に活動すると、関節滑膜組織にリンパ球、マクロファージなどの白血球がでてきます。
このリンパ球やマクロファージは、サイトカインを産生します。
このサイトカインが、「TNFα」「IL-6」などと呼ばれる物質です。
この「TNFα」「IL-6」などのサイトカインの作用により、関節内に炎症反応が引き起こされると考えられています。
そのため、関節リウマチの生物学的製剤は「TNFα」「IL-6」などのサイトカインをターゲットとした薬剤になるのです。
ではJAKはどのように作用するのでしょうか?
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JAKとは
先ほどもご紹介しましたが、JAKとは酵素であるヤヌスキナーゼ(Janus Kinase)の略語です。
JAKは関節リウマチの原因となるIFNやILなどの炎症性サイトカインのシグナル伝達に関わる細胞内分子です。
このように炎症性サイトカインは、免疫細胞の表面にあるサイトカイン受容体に結合します。
すると、JAKにATP(アデノシン三リン酸)が結合し、シグナル伝達がスタートします。
これにより炎症性サイトカインが産生されるというメカニズムです。
JAK阻害薬の結合部位は、JAKのATP(アデノシン三リン酸)結合部位になります。
つまりは、ATP(アデノシン三リン酸)がJAKに結合するのを阻害し、炎症性サイトカインのシグナル伝達をシャットダウンさせるとメカニズムです。
JAKには、JAK1、JAK2、JAK3、TYK2の4種類があります。
現在承認されている薬剤について整理しました。
トファシチニブ(ゼルヤンツ) ファイザー
- 一般名:トファシチニブ
- 製品名:ゼルヤンツ
- メーカー:ファイザー
- 発売年月:2013年7月
- 効能効果:関節リウマチ・潰瘍性大腸炎
トファシチニブはJAK1、JAK2、JAK3を全て阻害します。
バリシチニブ(オルミエント)
- 一般名:バリシチニブ
- 製品名:オルミエント
- メーカー:イーライリリー
- 発売年月:2017年9月
- 効能効果:関節リウマチ
バリシチニブはJAK1とJAK2を特に強く抑えます。
他の適応でも開発中のようです。
- フェーズ3:アトピー性皮膚炎
- フェーズ3:若年性特発性関節炎
- フェーズ3:全身性エリテマトーデス
- フェーズ3:円形脱毛症
ペフィシチニブ(スマイラフ)
- 一般名:ペフィシチニブ
- 製品名:スマイラフ
- メーカー:アステラス製薬
- 発売年月:2019年7月
- 効能効果:関節リウマチ
ペフィシニチブは日本で創製されたJAK阻害薬で、トファシチニブ(ゼルヤンツ)とバリシチニブ(オルミエント)に続いて、3番目のJAK阻害薬です。
ペフィシニチブはJAK1、JAK2、JAK3およびチロシンキナーゼ2(TYK2)全てのJAKファミリーを抑え、関節リウマチの病因に関わる炎症性サイトカインの産生を抑制する事が特徴です。
ウパダシチニブ(リンヴォック)
- 一般名:ウパダシチニブ
- 製品名:リンヴォック
- メーカー:アッヴィ
- 発売年月:2020年4月
- 効能効果:関節リウマチ
リンヴォックは、JAK1、JAK2、JAK3及びチロシンキナーゼ2のJAKファミリーのうち、JAK1を選択的に阻害します。
現在、「関節症性乾癬」「巨細胞性動脈炎」「軸性脊椎関節炎」がフェーズ3の段階です。
さらに「クローン病」「潰瘍性大腸炎」「アトピー性皮膚炎」もフェーズ3の段階です。
かなり広い適応拡大に向けて開発しております。
デルゴシチニブ(コレクチム)
こちらはアトピー性皮膚炎の治療薬。JAL阻害薬の外用剤の軟膏です。
デルゴシチニブは、ヤヌスキナーゼファミリー(JAK1、JAK2、JAK3、TYK2)のすべてのキナーゼ活性を阻害します。
サイトカインにより誘発される免疫細胞及び炎症細胞の活性化を抑制して皮膚の炎症を抑制します。
また、サイトカインにより誘発されるフィラグリン等の皮膚バリア機能関連分子の発現低下及び掻破行動(そう痒)を抑制します。
ジセレカ(フィルゴシニチブ)
ギリアド・サンエンシズとエーザイのJAK阻害薬です。
もっとも新しい関節リウマチのJAK阻害薬となります。
これで完全なるレッドオーシャンが出来上がりました。
潰瘍性大腸炎など幅広い適応症で開発中です。
まとめ

今回、MRとして知っておくべきJAK阻害薬についてご紹介しました。
オンコロジー領域、免疫領域は新薬を積極的に開発している領域です。
一度免疫領域を勉強してみることをおすすめいたします。
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