医療用医薬品の広告活動監視モニター事業:MR違反事例・やってはいけないこと

MR違反事例・やってはいけないこと

 

こんにちは!コロスケです。

今回は「医療用医薬品の広告活動監視モニター事業:MR違反事例・やってはいけないこと」についてご紹介します。

このケースを取り上げる理由ですが、びっくりするくらいMRの違反事例がまだまだあるようです。

厚生労働省のガイドラインが発令されても、まだまだ違反事例があるのが実情のようです。

 

先日、多くの会社のMRさんと一緒に食事会の時に、こんなケースを聞きました。

 

  • MR「うちの●●という製品を●●の症状でお困りの患者さんにつかってほしいんです。」
  • Dr:「おたくの●●という製品が、その症状に効くっていうエビデンスはあるの?」
  • MR:「エビデンスはございませんが、作用機序から効果を考えるとどうでしょうか?」

 

もしかしたら、こんなフレーズを放ったことあります? もちろんないです?

これって、どうなんでしょう?

 

売れるためには、少しでも対象患者を広げたいワケです。

けど根拠のないことを勧めているワケです。

効くかもしれないし、効かないかもしれなし。

しかしながら、実際やっていることは詐欺みたいなもんですよ?

だって、苦しんでいる心に漬け込んで、根拠のない治療を勧めているワケですから。

こんな提案をして、副作用で患者さんが死んだりしたらどうするんでしょう?

そんなことを全く考えていないMRが、売上至上主義の元、こんな提案をするワケです。

 

なんで厚生労働省のガイドラインがあるのか?

なんでMRの倫理観が必要なのか?

 

みなさんには、そんなことを考えながら「MRの違反事例」を確認してほしいです。

 

MRの違反事例

 

MR違反事例に関してです。

平成30年度の8ヶ月のモニタリングの報告を見ますと、

一番多かった違反事例は「エビデンスのない説明を行った。(14.8%)」だったのです。

しかも、そのうち最も多かった紹介方法が「口頭で紹介(48.9%)」なんです。

まさに最初に紹介しました実例ですよね。

 

違反が疑われた医薬品の種類

違反が疑われた医薬品の種類はこちらです。

  • 抗がん剤
  • 鎮痛薬
  • 糖尿病治療薬
  • 脂質異常症治療薬
  • 漢方薬
  • 抗アレルギー薬
  • 抗ウイルス薬
  • 抗菌薬
  • 抗血栓薬
  • 慢性便秘症治療薬
  • 緑内障・抗眼圧症治療薬
  • 乾癬治療薬
  • 気管支喘息治療薬

 

他院の例を紹介し、適応外使用を暗に推奨した事例

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆医薬品の種類:鎮痛薬

◆問題のあった情報提供活動・資材:企業担当者による口頭説明

■製品説明会において、企業担当者より「適応外である」と前置きした上で、「他院では 呼吸抑制に使用している医師もいる」と、暗に適応外使用を推奨するような説明を受けた。

■ポイント:適応外使用の事例を紹介し、暗にこれを推奨した。

(引用:厚労省報告書より)

 

「一般論」等と断った上で、暗に承認範囲外の効能効果を仄めかした事例

 

 

 

 

 

 

 

◆医薬品の種類:

脂質異常症治療薬

◆問題のあった情報提供活動・資材:プレゼンテーション用スライド、企業担当者による口頭説明

院内勉強会において、有効性に関する臨床試験結果を紹介するスライドの間に、「一般 論」と題したスライドが挿入されており、高脂血症になりやすく動脈硬化のリスクが高い 患者像として糖尿病患者等を挙げていた。その後のスライドでは、食後の TG や RLP-Cの推移を示すグラフが続き、こうした患者に対して本剤が有効であるかのような口振りで 説明があった。

同様の事例は複数のモニター医療機関から報告があり、別の医療機関では、「本剤に限 りなく近い物質である」と断った上で、「インスリンへの反応性を改善する」と発言し、 適応外の糖尿病にも有効であるかのような印象を与える説明を行った。

■ポイント:

本剤との関連性を示すデータがないにもかかわらず、「一般論」や「本剤に限りなく近い 物質」等として説明を行い、本剤の承認範囲外の効能効果を仄めかした。

(引用:厚労省報告書より)

 

エビデンスなく、承認範囲外の効能効果を説明した事例

 

◆医薬品の種類:抗真菌薬

◆問題のあった情報提供活動・資材:企業担当者による口頭説明

新薬ヒアリングの際、「本剤の適応症は、**(適応外の疾患)からの移行による事例 が少なくない」とした上で、この適応外の疾患について、「おそらく効果があると思われ る」との説明を受けたが、その有効性は認められていなかった。

■ポイント:適応症以外に対する有効性を、根拠なく説明した。

 

エビデンスなく、承認範囲外の体重減少効果を仄めかした事例

 

◆医薬品の種類:糖尿病治療薬

◆問題のあった情報提供活動・資材:企業担当者による口頭説明

配合剤である本剤のヒアリングにおいて、企業担当者が、「一方の薬剤は体重減少効果 があること」、「もう一方の薬剤は BMI が低いほど HbA1c 低下作用が大きいこと」を根拠 に両剤の配合は「相性が良い」と説明した。続いて参考情報である、本剤が体重に及ぼす 影響について言及し、承認範囲外の体重減少効果を示すかのような印象を与えた。

■ポイント:承認範囲外の効能効果を仄めかした。

 

十分な根拠に基づかない医師個人の意見を宣伝に用いた事例

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◆問題のあった情報提供活動・資材:企業担当者による口頭説明

医療関係者向け情報サイト上の製品紹介動画で、高齢者の疼痛対策の「第 1 選択」であ るとして、医師が本剤を推奨していた。しかし、他剤ではなく本剤を選択すべきエビデン スは示されず、また添付文書には、「高齢者には副作用が現れやすい」と記載されている。

■ポイント:十分な根拠なく医師個人の意見を宣伝に用いた。

 

 

作用機序のみで、他社製品に対する安全性の優位性を説明した事例

 

◆問題のあった情報提供活動・資材:企業担当者による口頭説明

本剤は、添付文書にも併用注意の薬剤が記載されているが、企業担当者は、CYP に関 連しないことやグルクロン酸抱合であること等、作用機序を根拠として、「相互作用が特 になく他社製品より安全である」との説明を行った。作用機序の説明は妥当であっても、 併用した場合の安全性を実証したエビデンスを示さずに、他剤に対する優位性を説明する のは不適切である。

■ポイント:実証したエビデンスを示さずに、作用機序のみで他剤に対する優位性を説明した。

 

 

査読のない学会のポスター発表の写真を情報提供に用いた事例

 

◆問題のあった情報提供活動・資材:企業担当者による口頭説明

企業担当者が包装変更等の情報提供を行った際に、「このような情報もあるので活用し てほしい」と述べ、本剤を扱った学会のポスター発表(本剤の投与方法と血管痛の関係に ついての報告)を撮影した写真を資料として提供した。なお、このポスター発表は結果の 解釈に誤りが見られ、正確性に欠けると思われた。

■ポイント:査読のないポスター発表の写真を情報提供に用いた。 

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