MRがきつい理由5選|40代MR・マーケター経験者が語る“もう無理かもしれない”と思った夜

雨だった。

大学病院の立体駐車場のコンクリートに、
水がじわっと広がっていた。

時刻は19時40分。

呼吸器外科外来の明かりはほとんど消えていて、
廊下にはストレッチャーのタイヤ跡だけが残っていた。

白衣の先生たちは、
さっきまでカンファレンス室にいたはずなのに、
もう誰もいない。

俺は、
重くなった革靴のまま、
医局前の長椅子に座っていた。

「今日は無理ですね」

15分前、
秘書さんにそう言われた。

でも帰れなかった。

今月、数字が足りていなかったからだ。

あと数件。

あと少し。

そう思って、
スマホを見た瞬間、
上司から着信が入った。

「半沢さん(仮)、今どこ?」

その声だけで、
胃がギュッとなる。

駐車場に戻ると、
フロントガラスに雨粒が流れていた。

エンジンをかけても、
すぐには車を出せなかった。

ハンドルを握ったまま、
小さく独り言が漏れた。

「…なんでこんなきついんだろ」

MRって、
外から見ると華やかに見える。

年収も悪くない。

スーツ着て、
医師と話して、
自由に働いているように見える。

でも、
20年以上この業界にいると、
見える景色が変わってくる。

今日は、
そんな話を書きたい。

たぶん、
現場にいた人しかわからない空気の話になる。

1. 医師との“温度差”が想像以上にしんどい

大学病院担当だった頃、
毎朝、
医局前の空気を読むところから1日が始まっていた。

機嫌の悪い日。

教授回診の日。

手術が長引いた日。

学会前。

その空気で、
今日は話せるかどうかが決まる。

廊下の奥から、
白衣の先生が歩いてくる。

その瞬間、
こちらは立ち上がる。

「おはようございます!」

でも、
先生はスマホを見たまま通り過ぎる。

聞こえてる。

絶対聞こえてる。

でも、
反応がない。

あれ、
地味に削られる。

しかも、
こっちは“売りたい”。

でも、
先生は“忙しい”。

この温度差が、
ずっと埋まらない。

ある日、
20時近くまで待って、
やっと教授に会えた。

「先生、5分だけ…」

そう言いかけた瞬間。

「今それどころじゃないんだよ」

低い声で返された。

その後ろで、
若い医局員が苦笑いしていた。

エレベーターに乗った瞬間、
全身の力が抜けた。

帰り道、
コンビニ駐車場に車を止めた。

セブンの白い照明って、
なんか妙に孤独感が増す。

缶コーヒーを開けながら、
助手席に積んだ資料を見た。

今日、
一枚も使ってない。

その時ふと思った。

「俺、この仕事向いてないのかな」

MRって、
製品知識だけじゃない。

“空気耐性”
が必要なんだと思う。

医師との距離感。

絶妙なタイミング。

踏み込みすぎてもダメ。

引きすぎても忘れられる。

しかも、
感謝される仕事でもない。

この業界に入る前は、
「医師とディスカッションする仕事」
みたいなイメージを持っていた。

現実は違った。

“会えない”
“聞いてもらえない”
“覚えられてない”

この連続だった。

MRの市場価値については、
以前かなり本音で書いたので、
気になる人は読んでみてほしい。

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2. 数字プレッシャーが、静かに人を壊していく

営業所の会議室って、
独特の空気がある。

地方営業所にいた頃、
月末会議の日が嫌でたまらなかった。

朝から全員ピリついている。

誰も雑談しない。

コピー機の音だけが響く。

会議室の前を通ると、
所長の怒鳴り声が聞こえる。

「なんで落ちてるんだ!」

数字。

結局、
全部数字。

どれだけ頑張ったかじゃない。

結果だけ。

特にきつかったのが、
未達が続いた時。

毎週、
未達者リストに名前が載る。

そのたびに、
周囲の空気が変わる。

露骨ではない。

でも、
わかる。

「あいつ危ないな」

って空気。

営業車で外回りしてても、
ずっと頭の中に数字がある。

赤信号で止まってても、
数字。

昼飯食ってても、
数字。

家帰って風呂入ってても、
数字。

夜、
上司から電話が来る。

「来月どう巻き返す?」

もう、
その言葉だけで眠れなくなる。

ある時、
月末最終日に、
無理やり面談を入れようとしていた。

でも、
先生に言われた。

「そんなに売上って大事?」

笑いながら言われた。

何も返せなかった。

本当は、
患者さんの話がしたい。

治療の話がしたい。

でも、
現実は数字に追われる。

そこが、
どんどん苦しくなる。

マーケティング職になってからも、
数字プレッシャーは消えなかった。

むしろ、
市場シェアとか、
KPIとか、
会議資料とか、
別の形で追いかけてくる。

製薬マーケターのしんどさについては、
以前かなりリアルに書いた。

あれも、
実際かなり精神削られる。

3. 地方営業所の“孤独感”は想像以上だった

地方営業所時代。

冬だった。

雪の降る高速道路を、
一人で走っていた。

ラジオだけが流れている。

朝5時半出発。

ホテル暮らし。

知らない街。

知らない病院。

コンビニで、
おにぎりと缶コーヒーを買う。

気づくと、
店員以外、
誰とも喋ってない日がある。

これ、
地味にくる。

MRって、
意外と孤独な仕事だ。

車内の時間が長い。

一人で考える時間が長い。

しかも、
考える内容が暗い。

数字。

異動。

将来。

転職。

40代になると、
急に現実感が増す。

「この先どうする?」

って。

若い頃は、
転職なんて余裕だと思ってた。

でも、
40代になると違う。

年収も高い。

家族もいる。

簡単に動けない。

なのに、
会社の空気は変わる。

早期退職。

組織変更。

リストラ。

AI。

新薬失敗。

営業縮小。

ニュースを見るたび、
胃が重くなる。

車内で、
何回も考えた。

「俺、
このままでいいのかな」

でも、
答えは出ない。

MRからの転職については、
かなりリアルにまとめた記事がある。

たぶん、
40代MRほど刺さると思う。

あと、
転職先のリアルも書いた。

夢見すぎると危険だなって、
本当に思う。

4. 社内会議の“重い空気”で心が削られる

外勤より、
社内会議のほうが嫌だった時期がある。

特に、
数字未達の会議。

Zoom時代になっても、
あの空気は変わらない。

画面越しでもわかる。

誰かが詰められる空気。

沈黙。

視線。

カメラOFF。

資料の数字だけが並ぶ。

「原因は?」

その質問、
本当に嫌だった。

原因なんて、
こっちが一番知りたい。

頑張っても、
伸びない時はある。

競合が強い時もある。

先生が変わる時もある。

でも、
説明しなきゃいけない。

ロジカルに。

冷静に。

本当は、
もうヘトヘトなのに。

会議後、
誰も喋らず帰る営業所。

あれ、
かなり独特。

エレベーター降りたあと、
みんな無言。

車に乗り込む。

ドア閉めた瞬間、
やっと息が吐ける。

「はぁ…」

そのため息、
営業所の駐車場で何回聞いたかわからない。

外資と内資の違いも、
実際かなり空気が違う。

華やかに見える外資も、
数字未達の圧は相当きつい。

あの感じ、
経験した人ならわかると思う。

製薬会社の年収ランキングを見ると、
夢があるように見える。

でも、
高年収の裏には、
ちゃんと理由がある。

5. 40代MRになると、“将来不安”が急にリアルになる

最近、
同期と飲むと、
転職の話ばかりになる。

「この会社、
あと何年いる?」

「早期退職出たらどうする?」

「営業減るよな…」

そんな話ばっかり。

20代の頃は、
もっとバカ話してた。

でも、
40代になると変わる。

みんな、
不安を抱えてる。

特に、
新薬がコケた時。

組織変更が出た時。

営業所統合が出た時。

空気が変わる。

みんな、
急に転職サイト見始める。

でも、
実際動ける人は少ない。

怖いから。

年収下がるかもしれない。

役職なくなるかもしれない。

新しい業界で通用しないかもしれない。

MRって、
専門性が高いようで、
実は潰しが効くのか不安になる瞬間がある。

特に、
40代。

家のローン。

子供の教育費。

親の介護。

全部重なる。

なのに、
会社は待ってくれない。

ある日、
夜のコンビニ駐車場で、
営業車の中から転職サイトを見ていた。

でも、
途中で閉じた。

怖くなったから。

その感覚、
たぶん、
同世代MRならわかると思う。

MRから転職して成功する人、
逆に後悔する人。

その違いについては、
かなり本音で書いた。

転職エージェントについても、
実際に使った感覚ベースでまとめている。

綺麗事抜きで書いた。

最後に

MRって、
たしかにきつい。

かなりきつい。

精神的にも。

体力的にも。

人間関係も。

数字も。

孤独も。

でも、
それでも続けてる人たちを見ると、
やっぱりすごいと思う。

雨の日の病院。

診察終わりの廊下。

夜の駐車場。

コンビニの白い灯り。

あの景色を何年も見ながら、
それでも翌朝また病院へ向かう。

たぶん、
MRって、
外から見えるよりずっと泥臭い仕事だ。

でも、
だからこそ、
現場を知ってる人間にしか出せない言葉がある。

この記事を読んで、
「わかる…」
と思った人へ。

今日も本当にお疲れさまです。

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Man in a suit drives a rain-soaked car at night, gripping the steering wheel with a worried expression, papers and a tablet on the passenger side.
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