就職活動生必見!MR領域別の是非について
こんにちは!タロスケです。
今回は「MR領域別の是非」について、私の意見を述べたいと思います。
なぜMR領域別の話題を取り上げていくのか?についてです。
製薬会社に就職を希望している大学生にとって、少しでも参考になれば良いなと思います。
まず私の領域別担当の経験を簡単に述べさせて頂きます。
私は新人の頃から下記の通り幅広い経験をしました。
- 開業医担当
- 病院担当
- 地方大学病院担当
- 都内有名私立大学病院担当
- 都内有名国立大学病院担当
と幅広い経験をしました。
この中でも複数の会社で、大学病院担当をして
- 「全製品担当」
- 「領域別担当」
- 「希少疾患担当」
など様々な経験、かなり多くの診療科を訪問していました。
それぞれのメリット・デメリットも十分理解し
その点をご紹介いたします。
全製品担当MR
まずは全製品担当のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
特に最近のニュースでも小野薬品工業がプライマリケア強化に加え、全製品担当は維持されるとの話題がございました。
具体的には、
- 糖尿病
- 認知症
- 透析
- リウマチ
- 泌尿器
です。
それに加え今後は
- 神経内科(パーキンソン病)
- 循環器
- 整形外科
にも訪問をしていくとのことです。
私自身の経験も踏まえ、MR目線からわかるメリット・デメリットを紹介します。
●全製品MR
楽しさ・やりがい度 | 4 |
インプット・アウトプットなど学びの量 | 4 |
成長できる度合い:企画・経験 | 4 |
おすすめ度合 | 4 |
大変さ・ハードさ | 4 |
まずは、就職活動の学生さんに向けてお話をします。
私も複数の会社で就職活動の学生向けにお話をした機会がございます。
その中で、学生さんから「エリア制・領域制どちらが良いですか?」という質問を頂きます。
この回答は非常に難しいです。
結論ですが、コンスタントに新薬が発売される会社であれば、「全製品担当」が良いです。
何故ならば、若い頃に幅広い知識の習得と経験ができるからです。
幅広い診療科に訪問して、多くの新しい製品を担当することで、様々な疾患について学ぶことができます。
下記の2つのパターン、どちらが豊富な経験ができるでしょうか?
- 1製品を3年間担当
- 7製品を3年間担当
答えは明確です。「7製品を3年間担当」している時の方が圧倒的な経験ができます。
私はどちらも経験しましたから分かります。
インプット量・アウトプット量も大変です。非常に忙しいです。
また狭い地域で沢山の医師を訪問する方が、その地域の歴史・横のつながりなども深く理解することができます。
これを把握して、地域のために様々な企画を実施してインパクトを与えた時は非常にやりがいを感じます。
一般的に「全製品担当MR」のデメリットとして「深い製品知識」を言われます。
このデメリットはないと思います。
競合メーカーが領域別担当でしたが、彼らより深い製品知識を持っていた自信があります。
学会抄録やガイドラインなどアップデートされた情報を定期的にインプットしておけば問題ないです。
領域別担当でも知識がないMRなど沢山いますから。
本当のデメリットは、製品ごとに得意・不得意が出てエフォートのバランスが崩れてしまうことです。
一番苦手な製品は、一番やらなくなります。そこは訪問が手薄になります。
これが一番のデメリットではないでしょうか?
領域別・製品別MR
次に領域別・製品別MRのメリット・デメリットについてご紹介いたします。
メリットですが、働きやすいMR活動といったところです。
決まった疾患領域だけコンスタントに学ベば良いだけです。
チェックする学会も決まっております。
循環器領域であれば、それに関連する学会だけ絞ってチェックをしていけば良いのです。
消化器領域であれば、それも同様です。
そして学会に参加することも出来たりします。
全製品MRより大変さや忙しさは少ないですので、自分の時間を持つことも出来たりします。
デメリットは、会社がその領域のビジネスを撤退することになった時、です。
その領域が衰退期を迎えた時に、会社は事業を撤退していきます。
その前に、会社の新規事業領域に異動をしておくか、他社の新規事業領域に転職をするか、になります。
転職をする際は、領域別募集をしていることが多いため有利にはなります。
しかしながら、都内の有名大学病院担当や、旧帝大担当をしていたなどのキャリアは必要でしょう。
●領域別MR
楽しさ・やりがい | 4 |
インプット・アウトプット量 | 3 |
自身の成長性 | 4 |
おすすめ | 4 |
大変さ・ハードさ | 3 |
学生さんにとって要注意な営業体制があります。
それは「領域別」ではなく「製品別」とったり営業体制を採用しているメーカーが外資系には存在しております。
これは避けた方が良い会社の可能性もありますので、よく調べた方が良いです。
具体的にどのような営業体制なのかというと、1人のドクターに複数のMRが担当して訪問しております。
これは医師からすると、担当が曖昧という不評さがあります。
MR目線でも訪問効率が悪いです。自分が訪問しようと思っていたら、同じ日に別の担当が訪問していた、など。
そのため「どちらか来てくれれば良い」と言われたりもあるようです。
信じられないかもしれませんが、3人で一緒に行動をしているメーカーなども実際にあるようです。
そのような方針を採用している会社というのは、下記のようなカルチャーが存在している可能性があります。
- 会社がMRの仕事を理解していない
- 会社が医師のことを理解していない
- 本社の方針にMRが振り回されている
●製品別MR
楽しさ・やりがい | 3 |
インプット・アウトプット量 | 2 |
自身の成長性 | 3 |
おすすめ | 3 |
大変さ・ハードさ | 4 |
製品別担当の大変さ・ハードさは、社内連携と伺います。
社内の人とこまめに連携を取らなくてはいけないからです。
この他社にはない連携に時間を要する点が大変なようです。
ある程度キャリアや経験がある方には、向いているかもしれませんね。
まとめ
学生さんは、どのようなキャリアを描いていきたいのか、がまず重要ですよね。
本社機能で働きたいのか、営業所長になりたいのか、そこそこ働くことができれば十分なのか、、
まずは新薬のパイプラインが豊富な会社ってことが第一です。
パイプラインが豊富であるということは、社内でも新しくポジションが創設されます。
新しいことを始めるチャンスがあります。
パイプラインが豊富でないと、会社や事業は縮小していきます。
つまりはポストも少なくなり、チャンスも少なくなる、ということでしょう。
だから、就職活動の学生さんは、下記のポイントを押さえてみてはいかがでしょうか。
- 国内パイプラインにフェーズ3の候補が多い
- 全製品担当または領域別担当で幅広い疾患を学ぶことができる
国内パイプラインは、「製薬協」のホームページで「開発中の新薬」で調べることができます。
若い頃にこのような経験をして、東京の大学病院を担当していれば、転職でさらなるステップアップも出来ると思います。