導入:夜の営業車で「MBA」と検索した日
雨が、フロントガラスを細かく叩いていた。
コンビニの駐車場に停めた営業車の中で、半沢(仮)はしばらくエンジンを切れなかった。
助手席には、今日ほとんど開かれなかった製品資料。
後部座席には、午後の講演会で使うはずだった紙袋。
コンビニで買ったコーヒーは、もうぬるくなっていた。
スマホが震えた。
画面には上司の名前。
「今月、あとどれくらい積める?」
その一言を見ただけで、胃のあたりが重くなった。
大学病院を担当していた頃は、まだ自分に勢いがあった。
朝早く医局前に立ち、教授回診の前後を狙い、講演会の相談を持ちかけ、診療科の空気を読みながら、少しずつ関係を作っていく。
断られても、待てた。
冷たくされても、次の訪問理由を探せた。
「営業は足で稼ぐものだ」
そんな言葉を、半分くらい本気で信じていた。
でも、40代が近づいてくると、その言葉だけでは、自分の将来を支えきれなくなる。
営業所の会議室で、若手が異動の話をしていた。
「〇〇さん、本社行くらしいですよ」
マーケティング部。
その言葉を聞いた瞬間、半沢(仮)は資料に目を落とした。
「へえ、すごいね」
口ではそう言った。
でも、本音は違った。
なんで自分じゃないんだろう。
自分の方が現場を知っている。
大学病院も、地方の基幹病院も、開業医も回ってきた。
医師の本音も、看護師の温度感も、営業所の数字の作り方も、全部見てきた。
それなのに、本社職は遠い。
マーケティング部は、同じ会社の中にあるはずなのに、ガラス越しの別世界みたいに見えた。
その夜、半沢(仮)は家に帰ってから、ノートPCを開いた。
検索窓に、ゆっくり打った。
国内MBA 社会人
MBA MR 意味ある
製薬会社 本社職 MBA
エンターキーを押した瞬間、自分でも少し笑った。
「今さら、俺がMBAかよ」
誰もいないリビングで、そんな独り言が出た。
でも、その夜からだった。
半沢(仮)が、自分のキャリアを会社任せにするのを、少しずつやめ始めたのは。
MRの市場価値については、以前かなり本音で書いた。数字だけで評価され続けることに不安がある人は、先にこちらを読んでほしい。
MRにMBAは本当に意味があるのか
MRにMBAは意味があるのか。
この問いに、軽く「ある」とは言いたくない。
MBAを取ったからといって、翌月から本社異動の内示が出るわけじゃない。
転職サイトに登録した瞬間、外資系製薬会社から高年収オファーが届くわけでもない。
名刺にMBAと書いたところで、医師が急に話を聞いてくれるわけでもない。
そこを勘違いすると、たぶん苦しくなる。
半沢(仮)も、最初は少し勘違いしていた。
MBAを取れば、自分の停滞感を一気に変えられるんじゃないか。
営業しかしてこなかった自分に、何か新しい肩書きがつくんじゃないか。
本社職に行けなかった理由を、学歴で埋められるんじゃないか。
でも、調べれば調べるほど、そんな簡単な話ではないと分かってくる。
国内MBAは、魔法のチケットではない。
ただ、MRとして積み上げてきた経験を、別の言葉に変える場所にはなる。
たとえば、MRは毎月の売上を追う。
「今月あと何例」
「この施設で何本」
「競合に何件取られた」
「この先生はなぜ処方しないのか」
現場では、全部が数字と感覚で流れていく。
でも、それをマーケティングの言葉に置き換えると、違って見える。
なぜ、その医師は処方しないのか。
それは製品認知の問題なのか。
患者像が曖昧なのか。
競合品の利便性が強いのか。
病院のオペレーションに合っていないのか。
スタッフの負担が処方判断に影響しているのか。
そもそも、会社が届けているメッセージが現場の課題とズレているのか。
MR時代には「先生が使ってくれない」で終わっていたことが、少しずつ分解されていく。
それは、きれいな学問の話ではない。
むしろ、泥臭い現場経験に名前をつけ直す作業に近い。
大学病院の廊下で何時間も待ったこと。
地方営業所で数字未達の理由を詰められたこと。
医師から「その薬、うちでは使いにくいんだよ」と言われたこと。
講演会の集客で頭を下げ続けたこと。
営業所長から「で、来月どうする?」と聞かれて黙ったこと。
それらは、ただの苦労話ではない。
きちんと振り返れば、顧客理解であり、組織理解であり、マーケット理解であり、事業課題の入口になる。
MRにMBAが意味を持つとしたら、そこだと思う。
過去の経験を、ただの根性論で終わらせない。
「自分は何を見てきたのか」
「何を解決したかったのか」
「なぜ本社職に行きたいのか」
「製薬会社員として、どんな問いを持っているのか」
それを自分の言葉で言えるようになる。
MBAそのものより、その過程で自分のキャリアを言語化する時間の方が、半沢(仮)には刺さった。
MRから次のキャリアを考えるなら、転職だけでなく複数の選択肢を知っておいた方がいい。こちらでは、MRのキャリアの広げ方をかなり現実寄りに書いている。
MRが本社職を目指すときに感じる見えない壁
本社職に行きたい。
そう思っても、MRはなかなか口に出せない。
営業所でそんなことを言うと、少し浮く。
「現場が嫌なの?」
「数字から逃げたいの?」
「本社に行けば楽だと思ってる?」
そんな空気が、どこかにある。
半沢(仮)も、若い頃は本社職に憧れている先輩を少し冷めた目で見ていた。
現場で数字を作るのが営業だろう。
本社は資料を作っているだけじゃないか。
医師と向き合っているのはこっちだ。
そう思っていた。
でも、マーケティング部に異動した元MRの同期と話した時、その見方が少し崩れた。
「現場の声ってさ、そのまま持って行っても通らないんだよ」
同期は、疲れた顔でそう言った。
「先生がこう言ってます、だけだと弱い。市場全体で何が起きているのか。どのセグメントの課題なのか。売上にどれくらい影響するのか。競合と比べてどこが負けているのか。そこまで言えないと、企画にならない」
半沢(仮)は、その時うまく返せなかった。
自分は現場を知っている。
ずっとそう思っていた。
でも、本社で求められるのは、現場を知っていることだけではなかった。
現場で見たことを、会社が動ける形に翻訳する力。
ここに壁がある。
営業成績がいいMRでも、本社職に届かないことがある。
逆に、トップセールスではなくても、マーケティング部で存在感を出す人もいる。
その差は何なのか。
半沢(仮)は、ずっと引っかかっていた。
営業所の会議では、数字の話が中心になる。
今月の進捗。
施設別の実績。
ターゲット医師の反応。
競合品の動き。
次回訪問予定。
もちろん、それは現場では欠かせない。
でも、40代になると、数字を追うだけでは息が詰まってくる。
特に、管理職手前の年齢になると、自分の立ち位置が見えてくる。
このまま所長を目指すのか。
本社職を目指すのか。
転職するのか。
専門性を作るのか。
それとも、ただ定年まで走り続けるのか。
30代の頃は、まだ勢いで何とかなる。
40代になると、勢いだけではごまかせない。
50歳手前になると、住宅ローン、教育費、役職定年、部下との年齢差、会社の組織変更が、急に現実の重さを持ってくる。
営業車の中で、ふと考える。
「俺、このまま何歳まで病院を回るんだろう」
別にMRの仕事が嫌いなわけじゃない。
むしろ、好きだった時期もある。
医師から頼られたこともある。
患者さんの治療選択に少しでも貢献できたと感じた日もある。
担当施設の数字が伸びて、営業所で褒められた日もある。
でも、それだけでは不安が消えない。
本社職への憧れは、きれいなキャリアアップ願望だけではない。
このままでは、いつか自分の市場価値が止まるんじゃないか。
その怖さが、奥にある。
製薬会社マーケターのリアルについては、こちらでかなり正直に書いた。本社職に憧れている人ほど、読んでから考えた方がいい。
製薬会社員が国内MBAで得られるもの
国内MBAで何を得られるのか。
半沢(仮)が最初に期待したのは、知識だった。
マーケティング。
戦略。
財務。
組織論。
リーダーシップ。
ロジカルシンキング。
でも、本当に効いてきたのは、知識そのものよりも、物事の見方が変わることだった。
たとえば、営業所の会議で売上未達の話になる。
以前なら、こう考えていた。
訪問回数が足りなかった。
キードクターを押さえきれなかった。
競合に先手を取られた。
月末の詰めが甘かった。
もちろん、それもある。
でも、少し視点が変わると、別の問いが出てくる。
そもそも、このエリアで今のメッセージは刺さっているのか。
ターゲット設定は正しいのか。
医師の処方障壁を、営業努力だけで突破しようとしていないか。
製品価値と病院オペレーションの間にズレはないか。
営業所の活動量ではなく、会社の戦略側に穴はないか。
そう考えるようになると、会議での発言が少し変わる。
「頑張ります」だけでは終わらなくなる。
「この施設では、製品特徴よりも院内運用の不安が処方障壁になっているように見えます」
「医師本人より、実際に運用するスタッフ側の納得が弱いかもしれません」
「今の資材は製品説明には使えますが、患者像の具体化には少し弱いです」
そんな言い方ができるようになる。
これは、MRとして現場を見てきた人間だからこそ出せる言葉だ。
国内MBAは、現場経験を消す場所ではない。
むしろ、現場経験を別の角度から照らす場所に近い。
半沢(仮)は、大学病院担当時代を何度も思い出した。
あの時、教授が求めていたのは何だったのか。
なぜ、講演会のテーマにあれほどこだわったのか。
なぜ、ある製品は一部の医師には刺さったのに、別の医師にはまったく響かなかったのか。
なぜ、営業所では「いい話」とされた現場の声が、本社には届かなかったのか。
昔は、点だった。
今は、少しだけ線で見える。
医師の声。
患者背景。
病院の都合。
競合品。
薬価。
営業リソース。
社内承認。
ブランド戦略。
上層部の判断。
全部がつながって見え始める。
それが分かると、マーケティング部への憧れも、少し変わる。
遠くのキラキラした部署ではなくなる。
泥臭い現場の情報を、事業の言葉に変える場所。
そう見えてくる。
MRからマーケティング職を目指す人には、こちらの記事も合うと思う。現場から本社に行きたい人が感じる距離感を書いている。
MBAを取っても意味がない人もいる
MBAを美化するつもりはない。
取れば人生が変わる、みたいな話ではない。
むしろ、向いていない人もいる。
肩書きだけ欲しい人。
勉強した気分になりたい人。
今の仕事が嫌で、とにかく逃げ道が欲しい人。
転職で年収を上げるための分かりやすい武器が欲しいだけの人。
そういう人には、たぶんしんどい。
国内MBAは、仕事終わりにキラキラした教室で未来を語る場所、というより、自分の浅さを見せつけられる場所でもある。
半沢(仮)も、研究テーマを考えた時に止まった。
自分は製薬会社で20年以上働いてきた。
MRもやった。
大学病院も担当した。
地方営業所も経験した。
マーケティングの仕事にも関わった。
それなのに、
「あなたは何を研究したいのですか?」
と聞かれると、言葉が出ない。
売上を上げたい。
本社職に行きたい。
キャリアを変えたい。
それだけでは、研究にならない。
志望理由書を書こうとして、キーボードの上で手が止まる。
なぜMBAなのか。
なぜ今なのか。
なぜこの大学院なのか。
自分の実務経験と、研究したいテーマはどうつながるのか。
卒業後に何をしたいのか。
面接で聞かれるかもしれない問いを想像するだけで、胸が重くなる。
営業の現場では、多少ごまかせた。
「次回確認します」
「社内で検討します」
「先生のご意見として持ち帰ります」
でも、自分のキャリアだけは、ごまかせない。
MBAを目指すというのは、自分の過去にちゃんと向き合うことでもある。
そこから逃げたい人には、あまり向かない。
ただ、逃げずに向き合った人には、残るものがある。
履歴書に書ける肩書き以上に、自分の中に残るものがある。
「自分は何をしてきたのか」
「何を変えたいのか」
「どんな製薬会社員でいたいのか」
この問いに、少しだけ答えられるようになる。
それは、誰かに見せびらかすものではない。
でも、40代以降のキャリアでは、静かに効いてくる。
転職だけでキャリアを変えようとしている人は、こちらも読んでほしい。転職エージェントを使う前に、自分の軸を持っていないと流される。
忙しいMRが国内MBA受験でつまずくところ
国内MBAを調べ始めた夜、半沢(仮)は少しだけ前向きになった。
でも、その気持ちは長く続かなかった。
翌朝、普通に仕事が始まるからだ。
朝は営業所会議。
午前は病院訪問。
昼は説明会。
午後は地方の基幹病院へ移動。
夕方に上司へ報告。
夜は講演会の準備。
帰宅したら、子どもの学校の話、家のこと、翌日の資料確認。
ノートPCを開くのは、夜11時を過ぎてから。
画面には、国内MBAの募集要項。
でも、頭に入ってこない。
志望理由書。
研究計画書。
小論文。
面接。
英語。
出願書類。
推薦書。
スケジュール。
文字だけが並んでいる。
「これ、独学でいけるのか?」
半沢(仮)は、また独り言を言った。
MRは、外から見るより忙しい。
平日夜も、完全に自由ではない。
土日も、講演会や移動が入ることがある。
メールは飛んでくる。
数字は追いかけてくる。
家族の予定もある。
30代なら、まだ体力で押せるかもしれない。
でも、40代になると、疲れが抜けにくい。
50歳手前になると、勉強以前に、机に向かう気力を作るだけでしんどい日がある。
しかも、国内MBA受験は、ただ問題集を解けば進むものではない。
一番つまずくのは、自分の経験を言葉にするところだ。
MRとして何を見てきたのか。
製薬会社員として何に問題意識を持ったのか。
なぜ、それをMBAで深めたいのか。
その研究は、実務にどう戻ってくるのか。
ここで止まる人は多いと思う。
半沢(仮)も止まった。
大学病院担当時代の経験を書こうとすると、ただの武勇伝になる。
地方営業所で数字を追った経験を書くと、ただの苦労話になる。
マーケティング職への憧れを書くと、社内異動希望の作文みたいになる。
違う。
そうじゃない。
自分が書きたいのは、もっと奥にあるはずだった。
製薬会社の現場で、なぜ良い薬がすぐに使われないことがあるのか。
なぜ医師の本音が本社に届かないのか。
なぜ営業現場は、いつも数字と根性論に戻ってしまうのか。
なぜMRは、自分の経験を事業の言葉に変えられないのか。
そこまで考えた時、初めて研究計画書の入口が見えた気がした。
でも、ここまで来るのに時間がかかる。
仕事で疲れた夜に、これを一人でやるのはかなり重い。
家族から見れば、急に夜な夜な勉強を始めた父親だ。
「また仕事?」
そう聞かれると、説明に詰まる。
仕事ではない。
でも、遊びでもない。
自分の将来に、少しだけ抵抗している時間だった。
MRがきつい理由については、こちらでかなり現場寄りに書いた。勉強する時間が取れない理由も、たぶんここにある。
独学か、講座を使うか
国内MBAは、独学でも目指せる。
情報は探せば出てくる。
募集要項も読める。
過去の合格体験記もある。
書籍もある。
動画でも解説は見つかる。
だから、最初から講座ありきで考えなくてもいい。
ただ、社会人MRにとって一番きついのは、勉強量そのものより、迷っている時間だと思う。
志望理由書の方向性が合っているのか分からない。
研究計画書のテーマが浅いのか深いのか分からない。
自分の職務経験をどうMBAにつなげればいいのか分からない。
面接で何を聞かれるのか分からない。
どの大学院が自分に合うのか分からない。
この「分からない」が、夜の時間を削っていく。
半沢(仮)も、何度も同じページを見ていた。
募集要項を読む。
閉じる。
合格体験記を読む。
焦る。
研究計画書を書きかける。
消す。
また検索する。
気づけば、1時間経っている。
何も進んでいない。
これが一番つらい。
だから、アガルートのような国内MBA対策講座を、情報収集の入口として見ておくのは現実的だと思う。
申し込むかどうかは、すぐに決めなくていい。
まずは、国内MBA受験では何が見られるのか。
社会人はどこでつまずくのか。
研究計画書や志望理由書をどう組み立てるのか。
面接でどこまで自分のキャリアを語るのか。
その全体像を早めに知るだけでも、無駄に悩む時間は減る。
国内MBA受験の全体像を知りたい人は、アガルートの国内MBA対策講座を一度見ておくと、志望理由書や研究計画書で何が求められるのかをつかみやすいと思う。
MRは、時間があるようでない。
平日夜の1時間は重い。
土日の半日は、家族にとっても自分にとっても大きい。
その時間を、ただ検索で溶かすのはもったいない。
もちろん、講座を使えば合格する、という話ではない。
最後に書くのは自分だ。
面接で話すのも自分だ。
なぜMBAなのかを問われるのも自分だ。
でも、誰かに壁打ちしてもらうことで、自分の経験が少し整理されることはある。
「大学病院担当の経験は、単なる実績ではなく、医師の意思決定プロセスへの関心として書けるかもしれない」
「地方営業所での数字プレッシャーは、営業組織のマネジメント課題として扱えるかもしれない」
「本社職への憧れは、個人の異動希望ではなく、現場と戦略の断絶への問題意識として語れるかもしれない」
そう見えてくると、少し前に進める。
独学か、講座か。
どちらが正解という話ではない。
でも、忙しいMRが限られた時間で動くなら、必要なところだけ外部の力を借りるのは、かなり現実的な判断だと思う。
MRのキャリアロードマップについては、こちらにもまとめている。MBAを考える前に、自分がどのルートに進みたいのかを見ておくと整理しやすい。
それでもMRがMBAを考える価値はある
MBAは魔法ではない。
国内MBAに入ったからといって、すぐに人生が変わるわけではない。
本社職が約束されるわけでもない。
転職で年収が跳ねるわけでもない。
会社が急に自分を認めてくれるわけでもない。
それでも、営業車の中で将来に不安を感じたことがあるMRなら、一度は考えてみてもいいと思う。
半沢(仮)は、あの夜のコンビニ駐車場を今でも覚えている。
雨。
ぬるくなったコーヒー。
上司からの電話。
同僚の本社異動。
助手席の資料。
暗いフロントガラスに映った、自分の疲れた顔。
あの時、自分はかなり追い詰められていた。
でも、今思うと、あの夜は悪い夜ではなかった。
初めて、自分のキャリアを会社任せにしないと決めた夜だったからだ。
30代のMRは、まだ迷える。
40代のMRは、迷うことに焦る。
50歳手前のMRは、迷う時間すら残っていない気がしてくる。
でも、本当はどの年代でも、少しずつ動くことはできる。
転職する。
社内異動を狙う。
マーケティングを学ぶ。
英語をやり直す。
副業を始める。
国内MBAを調べる。
志望理由書を書いてみる。
研究テーマを考えてみる。
どれでもいい。
大事なのは、数字に追われるだけの毎日から、自分の将来を少し取り戻すことだと思う。
MRとして走ってきた年月は、無駄ではない。
大学病院の廊下で待った時間も。
地方営業所で詰められた会議も。
医師に断られた訪問も。
競合に負けた悔しさも。
後輩の前で平気な顔をした月末も。
全部、言葉にできればキャリアになる。
国内MBAは、そのきっかけの一つだ。
向いている人もいれば、向いていない人もいる。
でも、少なくとも、夜の営業車で「このままでいいのか」と思った人には、調べてみる価値はある。
本社職に行きたい。
マーケティングに関わりたい。
営業経験を、ただの数字の記録で終わらせたくない。
そう思うなら、まずは自分の経験を言葉にしてみてほしい。
うまく書けなくてもいい。
最初は、ただの愚痴でもいい。
「なぜ、自分は本社職に行きたいのか」
「なぜ、MRのままでは不安なのか」
「なぜ、MBAという言葉に引っかかったのか」
そこからでいい。
そのうえで、独学で進めるのがきついと感じたら、アガルートのような国内MBA対策講座を情報収集の選択肢に入れてみるのもありだと思う。申し込むかどうかより先に、自分が何で止まりそうかを知ることの方が大きい。
半沢(仮)も、最初はそうだった。
きれいな志望理由なんてなかった。
ただ、夜の営業車で、自分の将来が急に怖くなった。
それだけだった。
でも、その怖さをごまかさずに見たことが、次の一歩になった。
MRにMBAは意味あるのか。
答えは、人によって違う。
ただ一つだけ言える。
MBAを考え始めた夜は、自分のキャリアを本気で考え始めた夜でもある。
その夜を、なかったことにしない方がいい。
外資系と内資系でキャリアに迷っている人は、こちらも読んでほしい。会社選びの前に、自分が何を怖がっているのかが見えてくる。
MRとして転職に成功する人の共通点については、こちらで書いている。MBAを選ぶにしても、転職を選ぶにしても、最後は自分の軸が要る。