ファイザー早期退職 2019年10月募集開始
※アフィリエイト広告を利用しています(更新日:2023年8月20日)
2019年10月、米国最大手の製薬会社ファイザーが早期退職の募集を開始しました。
まずはこちらの記事を引用します。
募集対象は50歳以上のMRなどの営業担当者で、募集人数は200人弱。退職日は11月30日付。
通常の退職金に割増退職金を上乗せし、転職支援を行う。
割増退職金は年収ベースで4年分以上を支給する。
会社が指定する競合会社に退職後3年以内に転職した場合、割増退職金の返還を求める新ルールも実施する。
これまでになかった退職後の転職先に制限をかけるという新たなスキームです。
客観的に整理すると
- 50歳以上の社員が人件費を圧迫している
- 50歳以上の社員の割合は営業担当者が多い
- 優秀なMRは競合メーカーに転職しやすいので、その場合は割り増し退職金を返還。
会社経営陣は労使交渉をした結果、この条件となったようで問題はなかった?ようです。
ファイザー経営陣にとっては良い条件でしょうね。
MR目線に立って、50歳を過ぎても転職できるMRについて考えてみます。
僕が今まで見てきた、40歳以上でも給料を上げて転職してきた人たちの話から考えてみます。
50歳でも転職できるMRとは
優秀な50歳のMRが早期退職に募集した場合、転職先がなかなか見つからないイメージでしょう。
しかしながら、オンコロジー領域や専門性に特化した領域は50歳以上でも正社員で大手製薬会社に転職できます。
特に、有名な病院や医師を担当していたキャリア、成果、知識を持っているMRは、他社からも欲しがられる存在でしょう。
ここでまた一つの記事を引用して考えます。
ファイザーでは今回、早期退職の応募者のうち、オンコロジー部門または希少疾病用医薬品部門に所属している人について、退職後3年以内に、オンコロジー部門担当者はMSDやノバルティスファーマなどに転職した場合、希少疾病用医薬品担当者はアルナイラムジャパンに転職した場合、割増退職金の返還を求める。
オンコロジー担当者の転職制限先は3社あるとみられる。対象者は返還に応じる必要がある。
やはり、オンコロジー部門や希少疾病医薬品部門に所属している社員は転職制限がかけられたようです。
つまりは、ファイザーの経営陣が「オンコロジーや希少疾病を担当しているMRは50歳を過ぎても転職先はあるだろう。他社は欲しがるだろう」と認めているわけです。
大学病院の担当歴のあるMR
これまでのキャリアの中で「大学病院を担当したことがあるかないか」、ここは一つのターニングポイントとなります。
これまでたくさんの転職の応募条件を見てきましたし、面接を受けたり転職をしてきました。
その中で最低の条件として「大学病院を担当したことがある」、そこで「〇〇という製品を担当していた」ということがチェックされます。
有名病院を担当していれば一次面接は簡単にパスできるでしょう。
しかしながら40歳以上で
- 大学病院を担当したことがない
- 開業医でプライマリー領域しか担当したことがない
- マネジメント経験もない
- インセンティブも取ったことがない
というキャリアであれば今後リスクとなる可能性が高いです。
その中でも、大学病院を担当したことがある、ということが重要なスクリーニングのポイントとなります。
バイオ医薬品の担当歴
バイオ医薬品、つまりは抗体製剤の担当歴は今後の転職やキャリアに有利でしょう。
各メーカーが新規事業を立ち上げたり、これから日本で事業を積極的に展開する外資系企業の主力製品がバイオ医薬品というケースが多いです。
転職の求人票を見ますとバイオファーマの案件も多いですし、条件も良いです。
ここで代表的なバイオ医薬品を紹介します。
関節リウマチ・乾癬領域です。
- TNF-α:レミケード / エンブレル / ヒュミラ / シムジア / シンポニー
- IL-6R:アクテムラ / ケブザラ
- CD60/80:オレンシア
- IL-17:コセンティクス / トルツ / ルミセフ
結腸・直腸癌・胃癌・加齢紅斑変性症
- VGEF:アバスチン/サイラムザ / ザルトラップ / ルセンティス / アイリーア
EGFR:アービタックス / ベクティビックス
乳がん
- HER2:ハーセプチン/ パージェタ
慢性リンパ性 白血病
- CD20:リツキサン / アーゼラ
- CD52:マブキャンパス
- オプジーボ / ヤーボイ / バベンチオ /キ イトルーダ
多発性骨髄腫
- カイプロリス / エムプリシティ / ダラザレックス
骨病変 (多発性骨髄腫)
- ゾメタ/ランマーク
多発性硬化症
- イムセラ/タイサブリ
このあたりが代表的な生物学的製剤です。
このような製品を担当していくことがキャリアになるでしょう。
特に大学病院でガイドラインに携わっている医師を担当したり、
今後その領域の中心になるような医師と良好な関係であるMRは他社も欲しがる人材でしょう。