聖域なき構造改革 ノバルティス オンコロジー部門の人員削減

聖域なき構造改革 ノバルティス オンコロジー部門の人員削減

 

MR

おいらプライマリーMRだけれども、オンコロジーMRに希望を出そうかな、、?

プライマリーケアMRだと定年退職まで働くことができなさそうだし、、、、

 

 

プライマリー領域MR限界説が最近提唱されており、しばしば耳します。

生活習慣病担当のMRは、今後ますます先細りであること、転職の求人でも少ないこと、企業のパイプラインはスペシャリティ領域に特化していることが背景です。

このような背景や事情から「プライマリー領域MRからの転身の必要性」が唱えられているかと思います。

そのためMRさんの中にはオンコロジー領域を希望されて転職活動ならぬ転身活動をされているのではないでしょうか?

 

そして今回のトピックです。

ノバルティス、オンコロジー部門で人員削減

 

これまでMRにとってセーフティーゾーンと言われていた「オンコロジー部門」

各メーカーの成長ドライバーです。

その領域においても「MR活動の効率化」がリーディングカンパニーであるノバルティスで検討されている可能性があります。

 

 

ノバルティスファーマ オンコロジー部門の人員削減

 

 

ノバルティスファーマのオンコロジー部門が、今年に入って早期退職プログラムの希望者を募っているニュースがありました。

パッケージの詳細は不明です。

パッケージの詳細よりも、オンコロジー部門にメスが入っていることが注目されております。

なぜならばオンコロジー部門は最大の成長市場である領域だからです。

 

ノバルティスファーマの日本法人の2018年の製品別の売り上げがホームページに掲載されております。

上位10品目中5品目がオンコロジー領域の製品です。

 

  • グリベック 232億円
  • タシグナ  207億円
  • レボレード 190億円
  • アフィニトール 116億円
  • ジャカビ 94億円

 

さらに2015年には、グラクソ・スミスクラインのオンコロジー部門を買い取り事業拡大をしております。

直近では高薬価で話題の「キムリア」も昨年5月に薬価収載されまして、少なくともオンコロジー領域を撤退するようなムードはありません。

開発パイプラインを見ますと、非小細胞肺がんを適応としたカプマチニブ(一般名)が製造販売承認を申請済みです。

それ以外にもABL001(開発番号、抵抗性/不耐容の慢性骨髄性白血病)やスパルタリズマブ(一般名、BRAF遺伝子変異陽性悪性黒色腫)も臨床第3相試験の段階にあるようです。

 

オンコロジー部門だけが成長ドライバーではない

 

ここでノバルティスのグローバルでの注力製品を見てみます。

ノバルティスのIR資料によりますと、グローバルの大型・成長製品は「コセンティクス」のようです。

このように免疫・炎症関連のスペシャリティ領域の製品も成長ドライバーの一つです。

 

さらに直近で承認になった話題のSMAの核酸医薬品の「ゾルゲンスマ」

「ゾルゲンスマ」は超希少疾患の製品であり、MR活動としては、このような少数の患者さんを探して、それを診療している医師に効率よくアプローチをしていく、このような活動になるのではないでしょうか。

 

ノバルティスは事業が6部門あり、そのうちの一つが「オンコロジー部門」

もともとの人員数が多くはなかったので、対象となる人数も多くはないようです。

しかしながら、この聖域にメスが入ったというインパクトは大きいように感じます。

 

ノバルティス 2018年にも早期退職

ノバルティスの早期退職プログラムの過去の実績も調べて見ました。

45歳以上であり勤続5年以上のプライマリー領域の社員を対象に実施していたようです。

すでにプライマリー領域にはメスが入っており、トータルのボリュームを少しずつ縮小していくステージに入っているのかもしれません。

 

ノバルティスのグローバルでのパイプラインをIR資料から確認しました。

やはりオンコロジー領域に特化していることもなく、難病やアンメットメディカルニーズがあるような領域に万遍なくパイプラインを揃えているという印象です。

まさにプライマリー領域のブロックバスター製品に利益を依存するのではなく、完治が難しいような疾患や難病に対して万遍なく開発コストを投資している、このようなギガファーマだからこそできる戦略なのでしょう。

まさに医薬品の大型商社です。

魅力ある製品を持っているバイオベンチャーをどんどん買い取っているのでしょう。

 

今話題の製品「ゾルゲンスマ」も米国のAveXis社が開発したものであり、2018年5月にAveXis社はノバルティスの傘下に入りました。

このように魅力ある製品を持っている会社を早めに探してはアプローチしていて傘下に収めていくところが、この会社の強みなのでしょう。

 

このようなスペシャリティ領域のMRの生産性が今後は焦点になっていくのではないでしょうか?

例えば、ゾルゲンスマの担当MRは全国で何名くらいの規模なのでしょうか?

競合はバイオジェンのスピンラザです。

おそらく50人程度の人数で全国をカバーしているのではないでしょうか?

 

希少疾患の製品1つを1MRが1つの県を丸ごと担当する、そのような製品が各社で4つから5つ持ってる、となると、、、

各メーカーのMR数は、大手企業でも500人〜700人ぐらいが今後は適正な数になっていくのでしょうか、、、

 

少なくともMRを2000人も抱えるような企業は今後はなくなっていくでしょう。

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